単細胞生物の寿命について
地球上に単細胞生物は何十億年も以前にはじめて誕生したされている。
単細胞生物は、現在に至るでの生存の過程で細胞分裂を繰り返し遺伝子の変異が起こり生存に必要不可欠な遺伝子が傷つけばその細胞は死滅した。
そうした突然変異により新しい種も誕生し環境に対する耐性を獲得して存続し続けていると考えられる。
単細胞生物は、基本的に高等生物にみられる幹細胞と類似している。つまり、未分化・無限増殖性を有している生物である。
単細胞生物は、生命誕生から現在に至るまでの過程で遺伝子構造や蛋白質構造が微妙に異なる膨大な近似類の集合体を形成していると考えられる。
単細胞生物は高等生物と比べて遺伝子の構造が単純で蛋白質をコードする遺伝子の数も少ないので生態学的に変異体を見分けることが難しいのかもしれない。
いずれにせよ、数十億年の間に生存し続けたとすれば遺伝子を傷つける有害因子となる放射線や活性酸素などの環境要因から自らを守る遺伝的な仕組みと自己修復能を獲得しているのは間違いない。
現在生息している単細胞生物の多くはこの仕組みを獲得し生き残った比較的に最近に誕生した生物なのかもしれない。実際に単細胞生物のさまざまな変異体として種を形成しているとすればその数は膨大になると推測される。さまざまな単細胞生物が全滅せず生息しているのは大変に不可解な現象である。
単細胞生物の一種でゾウリムシは単細胞生物のなかで比較的に高度な遺伝子構造をもっている。ゾウリムシを接合せずに無性生殖で実験的に分裂させると350回ほど細胞分裂して死滅する。この現象は環境の有害因子によると考えるよりもプログラムされた細胞死である。
自然界に放置された状態で1個の細胞の分裂回数には避けられぬ限界があることが分かった。
ゾウリムシは接合という有性生殖の過程を経て自分の遺伝子を早期にリセットしていると考えられる。そうすることで見かけ上で種を維持して無限に細胞増殖を繰り返すことができることになる。